- 作者: トム・デマルコ,ティモシー・リスター,松原友夫,山浦恒央
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2001/11/26
- メディア: 単行本
- 購入: 26人 クリック: 339回
- この商品を含むブログ (197件) を見る
- 作者: トムデマルコ;ティモシーリスター
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2014/02/05
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログ (30件) を見る
ピープルウェアを読んだ。私が読んだのは第2版だが、いまは最新の第3版が出ている。
ソフトウェア開発においては、なによりもそこにかかわる人々が大事であること、彼、彼女らが高い生産性をあげるチームになるためにはどういったことが必要か、といったことが書かれている。
初版は自分が生まれる前のものだが、今の仕事でも心当たりがあるものがほとんどで大変良い本だと思う。
以下、いくつか印象的だったフレーズを引用する。
早くヤレとせかせれば、雑な仕事をするだけで、質の高い仕事はしない。
⇒おっしゃるとおりで、忙しいときほど仕事は雑になりがち。個人的には痛い目を見たことがあるので、忙しくても可能な限りチェックして雑にならないようにしてはいるけれど、完璧ではないし、他人の仕事までは保障できない。
エンドユーザの要求をはるかに超えた品質水準は、生産性を上げる一つの手段である。
⇒その通りだとは思うのだけれど、例に上がっているのが日本の企業で、どこの日本の話なんでしょうか.....
シャロンは、優れた管理者の本質をよく知り抜いていた。つまり、管理者の役割は、人を働かせることにあるのではなくて、人を働く気にさせることである。
⇒サーバントリーダ=シップってやつだろうか。まったくもってその通りだと思うし、ふんぞり返ってるだけの上司はどうしようもない。せめてテディベア*1やアヒル*2にでもなってくれればよいのだが。
チーム殺し * 自己防衛的な管理 * 官僚主義 * 作業場所の分散 * 時間の分断 * 品質低減製品 * さばを読んだ納期 * チーム解体の方針
⇒これが一番つらくて、受託開発かつ日本的な下請け構造があると、容易にこのチーム殺しが発動してプロジェクトが失敗しそうだと感じた。日本のソフトウェア開発の現場は長期的な視野で仕事ができる構造にそもそもなっていないのでは……
目標管理やそのたぐいのものは、管理上の責任逃れの口実である、ということだ。仕事に追い立てるための、単純で外因的などうきづけ手法を用いることによって、管理者は、投資、直接的な個人への動機づけ、配慮の行き届いたチーム形成、スタッフが辞めないようにすること、および実行中の作業手順の分析と再設計、といった、困難な問題に取り組まないことの言い訳にしているのだ。
⇒はい。でも自分がその立場になったらどうしたらよいのだろう?
How To本ではなくて、IT業界のエンジニアとして、プロジェクトの問題に対処する心構えを教えてくれる、よい本だと思う。
その他
ピープルウェアを読んだ方の書評など