瀧本哲史『戦略がすべて』(2015)

戦略がすべて (新潮新書)

戦略がすべて (新潮新書)

評判が良いようだったので読んでみた。内容としてはあまり求めていたものではなかった。

著者によるこの本の位置づけは、以下の一文が表していると思う。

本書は時事評論の形を借りた「戦略的思考」を磨くためのケースブックである。 p244

そしてこの本でいう戦略は以下の通り。

戦略を考えるというのは、今までの競争をまったく違う視点で評価し、各人の強み・弱みを分析して、他の人とは全く違う努力の仕方やチップの張り方をすることなのだ。 p245

これは間違っていないとは思うのだけれど、本の内容そのものは、ずいぶんふわっとしていてあまり戦略っぽくない印象を受けた。

それぞれのケーススタディにイマイチ目的というか、一本通った筋のようなものを感じられなかった*1。なんというか、おもしろいエッセイの域を出ていないというか。

基本のないままにケーススタディを繰り返しても、それはただがむしゃらに頑張っているだけのように思う。以前読書メモを書いた世界を変えたいなら一度武器を捨ててしまおう。 - mk_55's diaryのように、戦略とは何かを定義してから、この本に書いてある各論を定義に沿って進めたほうが面白かったと思う。

*1:個々の論には納得できるものも多いけれど。

bashで文字列を切り出す

お仕事で大変つらいスクリプトを見たので、備忘まで。

物自体はほぼ以下のページみたいな感じ。 逆引きシェルスクリプト/シェルスクリプトで文字列操作のleft, rightを作ってみた - Linuxと過ごす

わざわざ文字列を切り出すためだけのために数十行以上の関数を書くか、という話はともかく、この方法では性能がでない。

exprみたいなたいして性能もでないコマンドを使っているうえに、そもそもこのコードだとforkで子プロセスが生成される。一度や二度ならさほどでもないけれど、繰り返し実行すると馬鹿にならない時間がかかる。つらい。

bashならせめてパラメータ展開を使ってほしかった。 シェル変数展開のまとめ | OpenGroove

bashの機能なので子プロセスは生成されず早い。 手元で検証したら、1万回ループさせて、前者が20min、後者が1sぐらいで済んだので性能は段違いである。

『ソフトウェアエンジニアのための ITインフラ監視[実践]入門 』(斎藤 祐一郎)

ソフトウェアエンジニアのための ITインフラ監視[実践]入門 (Software Design plus)

ソフトウェアエンジニアのための ITインフラ監視[実践]入門 (Software Design plus)

ソフトウェアエンジニアのための ITインフラ監視[実践]入門 (Software Design plus)を読みました。

ITインフラに対する監視の考え方が簡単にまとまっている本。

本としては考え方から説明しておりよくできていて、システムの監視という観点の本がない中では*1、現状ではITインフラ監視の入門書の唯一の選択肢だと思う。

ただ、どうも7章でSaaSのMackerelを監視サーバーとして監視をしてみる、というところに重きを置きれすぎていたように感じた。例を入れるべきは他のより抽象的な考え方の章で、7章は別の本に席を譲るべきだった思う。 また、タイトルからはもう少しつっこんだ技術の話(SNMPの仕組みとか)も期待していたのだけに少し残念ではあった。*2

とはいえ技術一辺倒ではなく、システム全体を考えながらITインフラの監視を扱った書籍は類を見ないので、とりあえず関連業務をする方は買って損はないでしょう。

著者について

他の書評等

その他

*1:どうしてもZabbix等、特定製品に偏っている

*2:これは私の業務と著者のいるWeb系では想定しているシステムの形態が異なることによるもので、本の良し悪しとは別の話ではある。

Powershellでファイルとフォルダの区別をする方法

普通にPSIsContainerプロパティを使えばよい

#カレントディレクトリのフォルダだけを表示
> Get-ChildItem | Where-Object {$_.PSisContainer}

#同じくファイルだけを表示
> Get-ChildItem | Where-Object {$_.PSisContainer}

ちょっとした解説

PSIsContainerプロパティはオブジェクトがコンテナーの場合にTrue、そうでない場合はFalseになる。 Powershellにおけるコンテナーとは"オブジェクトを格納できるもの全般"のこと。 フォルダ、レジストリキーなどが該当する*1

追記:2018/03/14

上記Powershell v3 以降の場合はそもそもGet-ChildItemFileパラメータやDirectoryパラメータで絞り込んで表示できることができるようになっている。

*1:正式なドキュメントなどは見当たらず…試してみた範囲ではこの2つだった

2015年を振り返る

今思い返すと、延々と仕事ばかりしていた。

残業時間の平均か60から70時間ぐらい。

否が応でもやらねばならなかったが 代わりにインフラ周りの知識をいろいろ得ることができた。

まあ、頑張ったのでは。

『ヘルシープログラマ』

ヘルシープログラマ ―プログラミングを楽しく続けるための健康Hack

ヘルシープログラマ ―プログラミングを楽しく続けるための健康Hack

エンジニア視点で健康を改善するにはどうしたら良いか、が書いてある本。

基本はテスト⇒改善⇒再テストを継続してやっていくことで品質を上げていこうという考え方が基本になっている。

そのうえでプログラマにありがちな健康問題への対策や、どうやって継続するかについてのアドバイスなどが書かれている。

一つ一つの対策に目新しいものはないけれど、プログラマのみならず健康を手に入れるためのシステムが欲しい人にはちょうど良い本だと思う。

※あくまで健康になるための本で、ダイエット本ではない。