公開終了が近いレイトショーで鑑賞。
とても興味深い映画だったが、おもしいか、と言われると少し悩む。何とも言えない気分になる映画。
2007年のサブプライムローン住宅ローン危機をいち早く予見して、経済が崩壊する方に賭け、でかい空売り*1を仕掛けた人々の話。
ストーリー自体は周りが誰も信じない中、苦しみながらも自分の判断を信じて最後に勝利を掴むというもの。
劇中で描かれているモブの投資家、銀行家は最初は鼻で笑っていたが、最後には自身がしこんだMBS(Mortgage-backed securities 不動産担保証券)とCDO(Collateralized Debt Obligation 債務担保証券)というクソのせいで火だるまになる。自分の間違いを全く信じておらず、金しか見ないで、さも立派な仕事をしている面をしている彼らを見ると、観ていると金融屋が嫌いになると思う。
また、主役達もCDS(Credit default swap)を使って賭けには勝ったものの、単純に喜べるようなことでもなく、起こった事の大きさに圧倒されてしまう。この描かれ方は確かにそうなるだろうとは思うのだが、映画として2時間積み上げてきたものをどこにやってよいのか、私には正直わからなかった。 ただ、ベン・リカードが言ったように、もうけが出ている裏では国民の生活が犠牲になっている、ということなのだろうとは思う。
下記が原作らしいので、暇があれば読んでみるのも面白いかもしれない。
- 作者: マイケル・ルイス,東江一紀
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2013/03/08
- メディア: 文庫
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余談ではあるが、この邦題をつけた方は本当に映画を観たのだろうか。「華麗なる大逆転」はどこにもないと思うのだが……
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*1:原題はまさにそのまま「The Big Short」